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接骨院の利益率

接骨院経営における適正な利益率とは

利益率とは、売上高に対して利益の割合がどのぐらいあるのかを表す指標です。接骨院・整骨院といった治療院は飲食店などと違って商品の仕入れが基本的にないため、売上から諸経費を差し引いた営業利益率が利益率とほぼイコールと考えて問題ありません。

経費に含まれるのは家賃や人件費、水道光熱費、広告費、消耗品費です。必要経費が少ないほど利益率が高くなり、必要経費が多いと利益率が低くなります。

日本政策金融公庫によると、経営指標となる接骨院の売上高経常利益率(償却前) は3.6%(※)です。この数値は日本政策金融公庫で融資を受ける際の目安にもなるため、接骨院・整骨院の経営における適正な利益率は3.6%と言えるでしょう。ちなみに治療院が黒字経営を維持するのに必要な利益率は、4~5%とされています。

※参照元:日本政策金融公庫【PDF】(https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/pdf/bsp_nagoya_point09.pdf)

利益率を高めるために行うこと

経費のコントロール

治療院の経営に必要となる経費は、主に「人件費」「地代家賃」「広告費」の3つです。利益率を高めるには、これらの経費を適切にコントロールする必要があります。それぞれの経費をコントロールするための方法について、見ていきましょう。

人件費率

治療院の経営において、最も多くの経費を必要とするのが人件費です。接骨院・整骨院の人件費率の目安は、40%前後と言われています。人件費には、給料をはじめ、社会保険料や福利厚生費、スタッフ教育にかかった費用なども含まれます。

リスクを抑えて接骨院・整骨院を開業するなら、経営が軌道に乗るまでは自身と数名のスタッフのみで運営し、売上が増加したらスタッフの増員を検討すると良いでしょう。スタッフを増員する際は、前述した人件費率の目安になるように適正な人数・給与を設定することが大切です。

地代家賃率

接骨院・整骨院の地代家賃率の目安は、10%前後とされています。そのため、開業を検討するなら、月次の大まかな売上高を想定し、その売上高に対して家賃の割合が10%前後の物件を選ぶと良いでしょう。ただし、地代家賃率にばかり目を向けて立地をおざなりにしてしまうのはNGです。

治療院を経営するうえで、立地は他院との差別化を図る重要な要素となるため、地代家賃率とのバランスを考えながら立地を選定するようにしましょう。

広告費率

接骨院・整骨院は広告費にお金をかける治療院が少ないため、他院と差別化を図るなら広告費への投資が狙い目と言えます。接骨院・整骨院の広告費率の目安は3~5%です。1人あたりの集患コストが3,000~5,000円になるようにすると良いでしょう。

接骨院・整骨院は1度集患すれば数ヶ月の通院を見込めたり、再診として戻ってきてもらえたり、と広告への投資に対する効果が比較的大きい業界です。地域での認知率を上げて新規患者の集患につなげるためにも、広告費への投資の検討をおすすめします。

売上を伸ばす

利益率を高めるには経費のコントロールのほかに、売上を伸ばすことも大切です。売上を向上させるために取り組みたいポイントを紹介します。

WEBからの新規顧客増加

新規顧客を増やすには、集患対策が重要です。パソコンやスマートフォンの普及によりインターネットを活用して情報を収集する人が増えているため、集患対策としてWEBサイトの開設および強化は必須と言えるでしょう。WEBサイトの強化に必要なSEOに関する知識や技術の習得には時間がかかるため、SEOに詳しい専門家にサイト設計や運用を依頼するのがおすすめです。

リピート率の向上

治療院の経営を安定させるには、リピート率を高めることも必要です。リピート率を上げるための対策としては、以下の例があげられます。

そのほかにも、現状のリピート率を把握・分析し、数値に応じた対策を講じることも重要です。新規患者の開拓と合わせてリピート率の向上にも取り組むことで、集客力の底上げを図れます。

客単価・分単価を上げる

1回の施術金額が高くても分単価が低い場合、全体の売上アップにつながりません。そのため、客単価や分単価を上げる施策を検討する必要があります。ちなみに、メニューごとの分単価は、以下の計算式で算出できます。

【分単価の計算式】

客単価や分単価を上げる施策例としては、「施術の時短化」「回転率を高める」「施術料金を値上げする」などがあげられます。患者にとっての満足度も大切にしながら、客単価・分単価を上げるための工夫も検討しましょう。

接骨院の売上目標を達成するためには

来院数・患者数の計測

接骨院の売上目標を達成するには、現在どのぐらいの患者が来院しているのかといった現状を把握することが大切です。患者数は一定期間内(通常は1ヶ月)に来院した患者のカルテ枚数を指し、同じ患者が複数回来院した場合は1人として数えます。

来院数・患者数は以下の式を用いて計測します。

患者数を計測する際に、患者の種類を3つに分ける理由は、それぞれで来院するきっかけが異なるからです。それぞれの患者数を把握することにより、自院の改善すべき課題が見えてきます。それぞれの患者数の目安としては、前月の患者数の持ち越しは前月の患者数の80%以上、新患数は20人、最新患数は総患者数の5%に設定すると良いでしょう。

接骨院の来院頻度・リピート率の把握

来院頻度やリピート率の把握は、接骨院を安定して運営できているかを測る重要な指標です。来院頻度やリピート率を高めることができれば、新規の患者を獲得できなかったとしても既存の患者だけで安定した売上につながります。リピート率については、新患の2回目の来院数に注目しましょう。新患の2回目の来院は、自院の施術に対する患者からの率直な評価が分かる重要な指標となります。

来院頻度やリピート率は、以下の式を用いて計測します。

2回目のリピート率については、経過確認という目的から、初回から2週間以内に来院した患者に絞って計測しましょう。

来院頻度やリピート率を向上させるには、自院の施術やサービスに対する患者の満足度を高めることが重要になります。そのためにも、積極的にコミュニケーションをとるのはもちろん、患者の抱えている悩みを聞き出して問題解決のための指導を行うことが大切です。

新規の患者だと自分から悩みや困っていることを言い出しにくいという人も多いので、患者との信頼関係の構築を意識し、悩みを言いやすい環境を整えましょう。

予約数とその推移を計測する

来院頻度の改善において、注目したいのが日々の予約数です。予約数は将来の売上を確保するのに重要な要素となるため、予約制を取り入れていない接骨院は導入を検討しましょう。また、予約数の把握と同時にキャンセル数の計測も大切です。日々の予約数とキャンセル数を計測していくことで、今後の売上の早期把握につながり、対策を講じやすくなります。

また、予約数とあわせて、1日の終わりに翌日以降の予約残数(予約数からキャンセル数を差し引いた数)の推移を、1週間・2週間・3週間・4週間ごとに計測しましょう。たとえば1週間の予約残数に対して2週間以降の予約残数が少ない場合、適切な来院指導ができていない、直近の新患数が少ない、などの課題が見えてきます。

平均単価の把握

平均単価は患者への対応時間あたりの単価で、施術スタッフの生産性をもとに計算します。平均単価は10分1,000円を目安とし、この目安に満たない場合はカウンセリングや施術メニューを見直しましょう。また、状況に応じて、施術スタッフへの教育や新たな設備への投資が必要になる場合もあります。

平均単価を達成するには、療養費や自費率を高めることが重要です。ちなみに、平均単価は施術スタッフの生産性をもとに計算するため、EMSやメドマーなどの施術スタッフの手を必要としない機材施術の料金は含みません。

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