接骨院の集客方法は、開業時の集客と開業してしばらく経ってからの集客で方法が異なります。開業時は新規顧客の獲得に力を入れることになりますが、しばらく経ってからはリピーターを増やしていかなければいけません。ここでは、接骨院の集客方法を紹介します。
開業したばかりの頃や新規顧客獲得を目的とする場合は、「接骨院がここにあることを知ってもらう」ことを意識した活動を行います。見込み客の目に触れるものであれば、方法は何でも構いません。看板、チラシ、地域活動などがファーストコンタクトとしては効果的です。また、検索で探している人向けにホームページなどを用意しておくと良いでしょう。
接骨院の場合、リピーター獲得を意識すると失敗する可能性があります。接骨院でリピーターが多いということは、症状が治らないということになってしまうからです。最初は良くても徐々に悪い口コミが広まるので、リピーター獲得には治療メニューだけではなく、美容メニューや自費診療メニューの用意をおすすめします。来院のきっかけは治療で、治ったら美容メニューでリピートしてもらうという考え方です。直接営業ができるので、リピーター獲得はそれほど難しくありません。
最後の来院から時間が空いている方の場合、別の場所に痛みが出るなど、現時点で困りごとがあるかもしれません。一度来院したことのある接骨院なら再訪しやすくなるでしょう。院のことを思い出してもらうと同時に、来てもらいやすくなるようなきっかけを提示すると良いでしょう。
集客は、新患の集客なのか既存患者なのかによって方法が異なります。ただし、既存患者の集客はそれほど難しくありません。リピートの獲得なら対面での提案、再訪の獲得なら手紙やメールなどです。接骨院の経営において苦労するのは、新患の集客と考えておきましょう。ここでは、新患の集客方法について紹介します。
新患の集客方法には、オフラインの方法とオンラインの方法の組み合わせがおすすめです。
オフラインの方法は以下のようなものがあります。
オンラインは次のようなものを検討しましょう。
具体的にどのような方法か紹介します。
公式のホームページを作成します。ホームページ単体で集客できることはほとんどありませんが、他の集客方法との組み合わせで効果を発揮するでしょう。
たとえば、チラシを見た人は、チラシの情報だけで来院を決心することは稀です。多くの場合、インターネットで検索して、ホームページと口コミのチェックをします。このとき、ホームページが存在しなければ、不安になって来院をやめてしまうかもしれません。しっかりしたホームページがあれば、安心して来院してもらえる可能性が高まります。
ホームページ作成で意識したいのは、検索エンジンでの上位表示です。一般的にSEOと言われています。接骨院の場合、ホームページ内にブログを作成する方法が効率的です。ただし、SEOはライバル数などによっては効果が出るまでに時間がかかることがあります。すぐに集客したいときに取り組む方法ではなく、時間をかけて育てていく集客方法です。接骨院の場合は、上位表示したいキーワードに競合が多いという特徴があります。SEOは効果が出にくいので、SNSとの組み合わせも検討してください。
Googleマイビジネスへの登録は、集客のポイントになるでしょう。SEOで上位表示が難しくても、Google mapに表示されることで新患に気づいてもらえる可能性があります。Google mapを見ている人は、悩みとエリアを検索窓に入力していることがほとんどです。濃い見込み客なので、そのままダイレクトに来院されるかもしれません。Google mapへの表示はGoogleマイビジネスへの登録が必要です。
Google mapの中でも上位表示させることで、新患がホームページに訪問してくれる可能性が高くなります。Google mapでの上位表示施策のことをMEOと言います。MEOは、ライバルが効果的な施策をしていないことも多く、SEOと比べると効果が出やすいかもしれません。Googleマイビジネスには、ビジネスプロフィールを登録できます。このプロフィールに関連性の高いキーワードを盛り込むと上位表示を狙えます。新患がどのようなキーワードで検索しているかを検証して施策しましょう。
開院してすぐの集客の場合、オンラインだけでは効果的に機能しません。オフラインと組み合わせて集客の仕組みを構築しましょう。チラシは、住宅地において効果が高い方法です。都市部では効果が期待できないでしょう。ただし、一度配ってみなければその効果は評価できません。チラシが効果的に機能すれば集客しやすいので、一度試してみる価値はあるでしょう。一般的にはポスティングより手渡しの方が効果を期待できます。人柄も伝えられるので自分で配るのがおすすめです。
新患の集客に重要なのは、店先の看板・案内板です。開院したばかりのときは、そこに接骨院があることが知られていません。知られていないのに患者さんが来ることはありませんが、知ってもらえばすぐに来てもらえる可能性があります。店舗型のビジネスは、商圏が限定されるのが特徴のひとつ。店先を通る人は見込み客です。「ここに接骨院がある」と知ってもらうことは、接骨院の集客の第一歩と言えます。看板の設置にはテナントの契約や環境などの制限が発生するかもしれませんが、できるだけ人目をひくデザインの看板を目立つところに設置できるとよいでしょう。
SNSは多くの人が利用しているツールです。接骨院を検索する際にも口コミなどを参考にする人が多く、SNSを充実させることは集客のために重要なポイントとなるでしょう。
各SNSにより利用者の属性(年齢など)や利用人数が異なります。ターゲットとする世代を考えた上で、活用するSNSを検討するのもおすすめです。
店があることを知ったらインターネットで検索し、評判を調べる人がほとんどです。そのときに効果を発揮するのがGoogle mapやポータルサイト、SNSでの口コミ。特にGoogle mapの口コミには注力したいもの。リピーターの患者さんに口コミの投稿をお願いしてみましょう。また、オンラインの口コミだけではなく、オフラインでの口コミも集客効果があります。紹介カード、紹介キャンペーン、イベントなどで患者さんの知り合いに声をかけてもらえるような仕掛けを作ってみてください。
地域活動を通して、接骨院の存在をアピールする方法もあります。接骨院に来院する人の多くは、その地域に住んでいる人です。自治体活動や地域のイベント、学校のクラブ活動などに参加して地域の人と交流を深めていけば、自然と知り合いが増え、接骨院の存在も知ってもらえるでしょう。
来院する方の理由もそれぞれあるでしょう。集客するにもその理由に合わせてアプローチをし、集客していく必要があります。それぞれのアプローチ方法にはどのような違いがあるのでしょうか。
急にケガをしてしまったなど緊急度が高い場合、「どこにいこうかな?」「いいところはどこだろう。」などと余裕があって調べられるわけではありません。
すぐに受診できることを重視します。そうすると、いかに事前にチラシ・SNS・ポスターなどで知名度を上げておくかにかかってくるでしょう。
事前にお知らせしておけばいざというときに「そういえば…」と思いだしてもらえる確率が増えるはずです。
慢性的な症状を持つ患者の場合、急に痛み出すといった緊急度の高いケースは多くありません。ただ痛みを治したいと思いは変わりないので、来院する際には、飛び込みで来院するというよりは時間をかけて、事前に特徴を調べて来院するケースが多いように思います。こういう場合は、口コミや知り合いによる評判による集客に効果があります。
親や子ども、祖父祖母など家族のだれかの為に探している場合、事前に調べているか、あるいは紹介されて来院する方が多いでしょう。実際に通ったことがある人からの口コミや、ホームページやGoogle、SNSなどを見てきます。こういった層を狙う場合、紹介などによる口コミや、SNSなどでの集客はより効果的です。
セカンドピニオンを求めているということは、一度どこかの医療機関で診療を受けているが症状の改善が見られなかったり、何か自分には合わなかったりと違和感がある場合に何か改善策を求めて探していることがあります。この場合は、他の理由で来院する患者よりも、病院のサービスをより詳細に調べてから来院するケースが多いといえます。
複数の接骨院について、いろんな媒体から情報収集をしている傾向があるため、ホームページをはじめとしてGoogleマイビジネス・チラシ・SNS・口コミサイト・地域の活動などどの方法で対策しても集客に繋がるでしょう。
交通事故で来られる場合、悠長に調べている時間がなく緊急性が高いケースが比較的多いでしょう。つまり「保険会社から勧められた」「会社から近い」そんな理由で来院する方が想定できます。事前に調べた際に、必要な情報がすぐ得られるようなホームページにしたり、SNSですぐ目につくような紹介をだしたりすることが方法として挙げられます。
集客を考えるにあたり、ターゲットを決めます。ターゲットの属性としては、年齢や性別、住んでいるエリアや職業、所得などを考えるようにしましょう。
また、若年層をターゲットとする場合はSNSで情報を集める傾向にるあるため、SNSを積極的に活用しましょう。シニア層でも、シニア層が多く利用しているSNSツール(Facebook)などを活用すると良いでしょう。
新規患者に対しては、HPやGoogleマイビジネスなどを活用し、インターネット検索で目に留まるようにしましょう。リピート患者を獲得するためにはSNSでの様子伺いをしながら回数券や優待サービスなどの情報を提供します。休眠患者に対してもLINEなどを活用し、最新患者向けキャンペーン告知などを行うと良いでしょう。
急性のケガをした人は、近くにある接骨院かつすぐに来院できることを重視する傾向にあります。あらかじめ看板などで広告を行うだけでなく、ホームページやGoogleマイビジネスを活用して情報を発信しておくことが大切です。
ターゲットを慢性的な症状で悩む人にする場合は、じっくり接骨院を選ぶ傾向にあるため口コミの強化やホームページの情報充実が求められるでしょう。また、家族が接骨院を探す場合も口コミを重要視するため、GoogleマップやSNSが大切です。
接骨院を広告する際にも注意点がいくつかあります。接骨院がチラシや看板等で広告できる内容は、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律によって制限されています。
ホームページは広告規制の対象外です。しかし、誇大広告に繋がるような表現や誤解を招く表現は避けましょう。規定に違反した物は30万円以下の罰金に処するとしています。(柔道整復師法第30条第5号、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第13条の8)
接骨院の広告は、法律で規制が行われています。違反すると保健所などから指導が入ったり、30万円以下の罰金や業務停止や免許取り消しとなったりする恐れがあります。規制対象となるのは、不特定多数の人が目にするSNSやインターネット広告、新聞の折り込みチラシ、看板などです。どのような広告が法的に認められているのか、NGとなるのかを把握しておくことが大切です。
反対にこちらは広告で記載してよい内容になります。
接骨院が広告で発信するにあたり、一番大事なのは生の声(口コミ)です。いくらホームページで、「こんな症状が改善します」や「こんなことできます」と宣伝していても、受ける側の患者には届きません。それよりも実際に来院して体感した患者の口コミの方が影響力を持っているといえます。こういった生の声を大事にすることで、より多くの患者に繋がるのです。
接骨院の集客を行うにあたり、広告にお金をかけることもありますが、集客手段にお金をかけすぎて頼ってしまうのは問題です。広告の集客はあまり高くなく、一般的にはチラシの反応率も高くて0.3%と言われています。そこにお金をかけすぎてしまうことよりも、地道に生の声の口コミや評判を集めていくのがゆくゆくは財産になります。
集客することは接骨院にとっても大事なことです。しかし、キャパシティを超えて集客してしまうことは、患者にとっても接骨院にとってもよくありません。
接骨院に通院するということは、症状を改善したいと通院していきます。ですので、早く受診がしたい方がほとんどです。キャパシティ以上の集客だと、予約は取れないことがでてくること、そして来院される患者さんの施術をこなさないといけないので、施術自体も疎かになりかねません。ですので、キャパシティ以上の集客はしないほうがいいとされています。